第十三章

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 朝。 オレ達は全員ほぼ同時に目を覚ました。いつもは耕平や大樹が遅く起きるはずなのだが今日は違った。 もしかしたら死んでしまうかもしれない…そう考えてもおかしくない状況なのに、なんだか今朝は体のしんから気持ちが良かった。     オレ達は軽く朝食を済ませ、テントを撤収した。撤収したテントはもう必要ないのでそこに置いていくことにした。そして誰が言い出したわけでもなく、オレ達は山を下り出した。     …誰ひとりとして話しはしなかった。楽しい話しをすると、死に対する恐怖は増幅する。しかし、だからといって最悪の事態も考えたくない。やってやる…今はそういった決意だけが胸にあればそれでいい。   ただ…ただ、目的地である゙白い家"へ向けてオレ達は足を運ばせた。まっすぐ、前だけを見て。
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