第十三章

6/48
前へ
/175ページ
次へ
ギィイイイ……   オレ達は扉を開け、゙白い家"の中へ入った。庭で感じた時よりも強くプレッシャーを感じる。オレ達は5人で背中を合わせながら少しずつ、前へ進んだ。   『ようこぞ白い家"へ。…いや、お帰りと言うべきですか?』   聞き覚えのある男の声がした。オレは声のする方を向いた。二階へと続く階段の所に人の姿がある。二人だ。男は続けて言った。   『これはこれは。今までにここを逃げ出したほとんど全ての人間がそろうとは…捜す手間がはぶけますねえ。フフフ』   間違いない、男の名前は神原(かんばら)だ。白衣の大人の中で滅多に顔を出すことのない、この施設のトップである。まさかもう頭が出て来るとは思わなかった。   『君達は優秀ですよ。君達全員が術(すべ)を知り、そしてそれを思うがままに操ることができる。非常に素晴らしい。しかし、今の我々から見ると少々厄介だ。ここで消させて貰いますね。』   オレは神原に言った。   『あんた達は一体何が目的何だ?オレ達の能力を使って何をしようとしてるんだ?』   すると神原は低く笑いながら答えた。   『゙ナイトヘッド"の部分が覚醒した人間はまさに無敵。翼君のように銃すら受け付けない体、大樹君のように素手で岩をも砕く破壊力。私はねぇ…それらを使っで総帥"になるのだよ……全世界の総帥にね!!』
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加