第十三章

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『逃がすか!』   森がオレを追いかけようとした瞬間だった。   ガス!   『…がは!何!?』   耕平が遠距離から森の腹部に一撃を加えた。森の足が止まった。その隙にオレと翼は階段を上がった。耕平が力強く森に言った。   『よそ見してんじゃねぇ!お前の相手はオレ達や!』   『雑魚が邪魔をしやがって…まあいい。どうせ上に行ったところで殺されるのがオチだ。まずはお前達から始末してやるよ。』   森は耕平に向かって走って行った。耕平はその瞬間、守りではなく、攻めの体勢に入って叫んだ。   『ノーガードで余裕かましてんじゃねぇぞ!オラァァアアア!!』   耕平の攻撃はまたも森に当たった。森は予想外の事態に混乱している。 耕平はいつも通り、ニヤリと笑って言った。   『お前がどんなに早く走ることが出来ようが、誰も追いつけなかろうが、お前が次に移動する場所に攻撃ポイントをずらせばいいんだろ?……オレの゙ベクトル平行移動"でよ。』   耕平の゙ベクトル平行移動"には時間は必要ない。したがって、相対速度の影響を受けないのだ。耕平と森の相性は抜群だった。しかし、森はなぜか余裕の表情を浮かべている。   『考えたな…耕平。これは遊んでられないな。全力で潰す…』
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