第十三章

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 そうは言ったものの、森には何の変化もなかった。しばらく森が構えている間に、浜崎と大樹が耕平の前に壁のように立った。   『耕平さん、オレ達が出来るのは前に立って耕平さんの代わりに殴られる事や…これを無駄にせんでくれよ。』   浜崎は耕平にそう言うとガッツポーズを小さくつくった。しかし、浜崎の体は小刻みに震えている…それもそのはずである。浜崎は味方の中でも能力に絶対的な実力があった。不意さえ突かれなければ敵はいなかった。したがって今、目の前の敵が産まれて初めての強敵である。そんなものを相手にするのだ…恐怖してもしかたがない。   『ハマ…お前に言われちゃ負けてられないな。一発でくたばるんじゃねぇぞ!お前ら!!』   耕平が気合いを入れて拳を何度も繰り出した。……その時だった。   『………能力発動、対象変更。』   森は大樹では比べものにならないほどの物凄いスピードで動いた。これではうまぐ平行移動"の照準が絞れない。森はあっという間に浜崎の懐に入りこんだ。   『まずは浜崎。お前だ』   『危ねぇ!ハマ!!』       …ガス!
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