第十三章

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『ガァァアアアア!!』   大樹が浜崎をかばおうととっさに出した左腕を森が蹴り上げた。大樹の肘が不自然な方向に曲がった。   『ちっ…外したか。まぁいい。今ので左腕がイカれたぞ、大樹。お前はもう使い物にならねぇな。』   『な…舐めんじゃねぇぞ。左腕なんてくれてやるよ。耕平!今や、ぶん殴れ!!』   近づきすぎた森はすぐ前に大樹がいるせいで攻撃を後ろにしか捌ききれない…チャンスだ。   『これは避けられんやろうが!終わりや!ウラァアア!!』   すると森は呆れたようにため息をついた。   『お前達、頭悪いよ…ちょっとは考えたらどうなんだ?』   森は耕平が拳を突き出すと同時に目で追えないほどのローキックを大樹に放った。ドスンという鈍い音と共に大樹は地面に倒れ、声にならない悲鳴をあげた。そして森は見下すように耕平に言った。   『どうした?早くオレを倒さないとみんなコイツみたいになっちまうぞ。…何とか言えよ?倒せるのはオレだけだって言っただろう?なぁ、耕平。』   何故、森はあんなに加速する事が出来たのだろうか?3人とも一歩も動いていなかったはずである。   『言う事もないならお前達3人、さっさと消すか…。』
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