第十三章

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『何でオレがそんなに早く動いたか解らんだろ?耕平、お前の拳を対象にしたんだよ。お前はプロボクサー並の拳の速さだからな。利用させてもらったよ』   これは計算外だった。これでは拳が出せない…攻撃のモーションさえ許されない。勝てない。そう思った。   『こ……て…る。』   浜崎がボソッと何かを呟いた。しかし、何を言ったかは聞き取れなかった。浜崎はそのまま下を向いたまま動かない。森は全く動かない浜崎に軽く蹴りを入れて言った。   『おい、どうした?勝てないと思ったから降参か?』   『……して…る。』   『あ?』   『殺してやる!!!』   浜崎がいきなり顔を上げ、何かをした。耕平には何をしたのか早過ぎて見えなかった。森は焦って一気に距離をとった。   『……く!やりやがったな。ナイフを持ってるとはな。それにしてもかなり早かったぜ。』   森の腹部が徐々に紅く染まっていった。浜崎の攻撃が当たったのか?そんなはずがないのに…確かに当たっている。浜崎は息を荒々しくしてナイフを持っている。   『殺してやる…殺してやる…!』   『オレとしたことが…油断したぜ。だがもう通用しないがな。』   耕平は何故攻撃が当たったのかを考えた。
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