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『着いたな、翼。』
『ああ。ここに神原達がいる確率は2分の1…気を引き締めていくよ。』
オレはゆっくりとドアを開けた。すると中からいくつもの悲鳴が聞こえてきた。
『ひぃいい!!頼む!殺さないでくれ!!』
部屋を見るとオレが脱走する前に一緒に暮らしていた仲間達がいた。しかし随分数が減っているようだ。
『おい!みんな、無事だったか!?』
オレの顔を見て安心したのか、みんなおとなしくなった。そして仲間の一人が縋り付くようにオレに話しかけてきた。
『真心か!!よく帰って来たな。お前がいなくなってから大変だったぞ。仲間は次々と白衣の連中に連れていかれて帰ってこない…帰って来たとしても魂を抜かれたみたいに別人だ。今はここにいる人間しか残っていない。真心!!お願いだ、オレ達をここから逃がしてくれ!!』
仲間の数は5分の1ほどになっていた。もう少しオレが早く着いていればと悔やんだが、今は後悔をしている場合ではない。オレは仲間に言った。
『あと少し待っててくれないか?オレは神原の所へ行ってケリをつけてくる。そしたらまた戻ってくるから。』
『……いや、真心君は今から彼らを外に逃がしてあげてくれ。』
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