第十三章

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翼は腕を押さえている。ダメージを受けたらしい。しかし、確実に准也の攻撃は防いだはずだ。神原は甲高い笑い声をあげた。   『キャキャキャ!!翼君、君じゃあ勝てませんよ。この子はねぇ…君じゃあ倒せない術を知っているんです。ここに一人で来た事を後悔するんですね!!さぁ、准也!とどめを刺すんです!』 神原の言っている事は嘘ではない。それは今の攻撃でわかることだ。准也は無表情のまま、さらにとどめの一撃を与えようとした。   『まいったな…。あの時、素直に待っていればよかったのに。早く戻って来ないかなぁ…゙真心君"』   急に准也の動きが止まった。准也の顔が苦痛でゆがみ、頭を押さえて苦しんでいる。神原は突然の事態に混乱している。   『どうしたんです!?なぜとどめを刺さないんですか!!早くとどめを刺すんです、さぁ早く!』   翼はその隙をついて一気に距離を取り、そしてニヤリと笑って准也に言った。   『弱音を吐くのはまだはやいか…。准也君、君の能力はわかったよ。でもオレには君は倒せない。相性が悪すぎる。ならせめて真心君が来るまでは…オレは死なない!!』           『し…真心…。』   『早く翼を殺しなさい!!准也!!』 准也の様子が元に戻った。
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