第十三章

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『はぁはぁはぁ…』   オレは翼と別れた部屋に向けて走っている。早くしないと翼が危ない…准也は間違いなく何かの術(すべ)を知っている。それはオレが゙白い家"を脱出する時に確認している。……具体的な能力はわからないが。 もし、神原もが術(すべ)を知っていたら…翼には勝ち目はない。急がないと。オレは全力で走った。部屋まではあとほんの10メートル程だ。         『翼!!』   オレは勢いよく扉を開けた。しかしそこには誰もいない。どこにいるんだ?もしかして…!?   『最後の部屋か!?あの馬鹿!!』   鳥肌が立った。嫌な予感がした。オレは最後の部屋へ走った。頼むから生きていてくれ…無事でいてくれ。 頭には最悪のパターンしか浮かんでこない…こんな時に使えない頭だ。とにかく先を急いだ。   そしてオレは最後の部屋のドアまでたどり着いた。この中に翼がいる…かもしれない。しかし迷っている時間なんてなかった。    バン!!     『翼!!』
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