第二章

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ヴーンという低めの機械音が鳴ると同時に、椅子に座っていた同僚が鈍い悲鳴をあげながらビクビクと痙攣をはじめた。そして動かなくなった。   動かなくなった同僚を見て、大人達は『失敗か…』と、小さくため息をついた。   はっきり言ってコテコテのうさん臭い実験だったが、目の前で見ていたオレには、それを冷静に見ることなんて出来なかった。それは一緒に見ていた准也も同じだった。   ガタン!!   たまらなくなって後退りしたオレは、ポケットに入れていたペンチを落としてしまった。   『だれだ!!』   白衣を着た大人が一斉に天井にいるオレ達を見た。   『何でこんなモンを持ってきてんだよ!!真心!』   『役に立つと思ったんだよ!!』   オレ達は逃げた。でも家の中を逃げたっていつかは捕まる。   『゙外゙に逃げるぞ。』   オレは頷いて出口を目指して准也と一緒に走った。
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