第十三章

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 准也の攻撃は止まらない。ただでさえ左腕をやられているのにこのリーチの差…。オレは攻撃をかわす事だけで精一杯だった。剣道三倍段というのをこの時に痛感した。   『お前がそう来るならオレだって…集まれぇ!!』   オレは水を細く集め、氷の棒を作った。これなら少しはマシに戦えるか…しかし初めてて武器を使うオレは上手く使いこない。防御はするも反撃へは移行できなかった。そして遂にオレは壁に背中をぶつけた。   『や…べ!!』 危機を感じた時にはもう遅かった。目の前にはすでにカーテンの槍がある。このままでは…殺される、でも避ける事が出来ない。死ぬのか?オレは…   『真心君!!危ない!!』 ……グサッ   翼がオレをかばって准也とオレの間に割って入った。立っているのがやっとのくせに…槍は翼の腕を貫通し、ポタポタと赤い血を地面に落とした。翼は顔を歪ませてオレに向かって叫んだ。   『ぐっ…真心君!!今だ…早く!!』   『すまねぇ翼…おらぁ!!』 オレは渾身の力で准也にボデイブローを放った。准也は腹部を押さえ地面に膝をついた…今だ!! 『一発じゃ終わらせねぇ…!!』 オレは何度も攻撃を与えた。クリーンヒットとまではいかないが何度も准也の顔面をとらえた。よし、いける。このまま一気に畳み掛ける!!!
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