第十三章

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『これでも喰らえ!!』   オレのローキックが准也に命中した。准也は苦悶の表情を浮かべたが、なんとか堪えた。しかし今の攻撃でガードが完全に下がっている。…もらった!!オレは准也のこめかみに狙いを定め、右フックを放った。しかし、その時だった。   『…ぐっ、がぁぁああああ!!』   准也がいきなり吠え出し、体をそらして自分の周りをかき回した。   『…熱!!』 准也の周辺の温度はいっきに上昇し、間合いがつめれなくなってしまった。オレはいったん距離をとり、准也の出方を伺う事にした。…あと少しのところだったのに…。   『フゥウ…フゥウ…』   准也の様子がおかしい…先程のようなポーカーフェイスは消え、歯茎を向きだしにし、呼吸も乱れ、背を丸めて、まるで猛獣のような体制をしている。…一体どうしたんだ? 『ググググゥ……』 准也ば右腕"に力を込め始めた。それは血管がむきだしになるほどだった。…何かがくる。オレは身を構えた。   『グギ…がぁああああ!!』 准也はその゙右腕"で目の前を乱暴にひっかいた。その瞬間、准也のひっかいた付近で眩しい丸い光が発生し、こちらへ飛んできた。丸い光は床を破壊しながら飛んできている。コレは一体…何なんだ?   『避けるんだ!!真心君!!跡形もなくなってしまう!!』
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