第十三章

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 准也は神原に向けてプラズマを撃った。プラズマは凄い速度で神原の方へ進んでいる。神原の顔が一瞬で凍り付いた。   『何ぃ!!なぜ私を!?狙うのはあの二人…やめろ…うわ…ギャアアアア!!!』 プラズマは命中し、神原は跡形も無く消えた。それでもプラズマは進み続け、天井を破壊して空へ消えていった。何故、神原が…   『おい…何で神原に攻撃したんだよ…。あいつは神原に操られているはずだろ?』   『多分、コントロールが効かなくなっているんだよ。蘇生したとはいえ、機械を使っているのは間違いない…おそらくさっきの真心君の攻撃で准也を制御している部分に不具合が生じたんだろう。』   翼の額からタラリと汗が流れた。オレは動揺しながらも精一杯考え、言った。   『じ、じゃあ…准也は今では…』   『見境なく全てを破壊する、ただの兵器だ。誰も准也を止められない…こうなったら頭部を破壊するしか…。』   頭部を破壊…?そんな事したら准也はどうなる? オレははじめから准也を殺すつもりなんてなかった。手足を縛りつけてでも殺さずに連れて帰るつもりだったのだ。またいつか一緒に暮らしたり、馬鹿をすることを望んでいたんだ。なのに…オレが准也を殺す?   オレは何も答られなかった。今の状況、選択の余地はないことくらい解る。でも…         『何シケた顔してんだよ…真心?』
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