第十三章

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 まただ…また声が聞こえる。そうやってたまに出て来るお前は何者なんだ?   『ちょくちょく出て来てるのにその反応はないだろ…本当にわかんねぇのか?じゃあヒントをくれてやるよ。お前を家の外に出した男だよ。因みに物理の授業は不得意だった。これでわかったろ?』 オレを外に出した男…物理…!!准也か!? 『ったく、今更気付きやがって。そうだ、オレは准也だ』   でも今目の前にいるのは准也じゃないのか?   『まぁそうなんだけど…よくわかんねぇが、たまにこうやって外に出れるんや。それはそうと…何でオレを殺らねぇんだ?このままじゃお前まで死んじまうぞ。』   わかってる…でもオレにはお前を殺す事なんてできない。親友だからな…。   『相変わらず馬鹿だな、お前は。゙親友"だからお前に頼んでるんだよ。訳のわかんねぇ奴には殺されたくねぇ。それに親友を殺すのはオレもしたくねぇからな。』 だからオレ任せか…まったく、お前らしいよ。…わかった。直接お前に頼まれちゃあな…聞いてやるよ。でも頭は狙わねぇ。今のお前の意識が戻るかもしれないからな。   『馬鹿!!一気にやんねぇとお前が死んじまうかもしれねぇんだぞ。変な期待してんじゃねぇよ』 オレだってお前の無理な注文聞いてるんだ。これじゃあ不公平だろ? 『このひねくれ者が…わかった。でも危なくなったら躊躇なく頭を狙えよ。わかったな?』   ああ…心配すんな。オレはお前の゙親友"だぜ? 『それ聞いて安心したよ。任せたぜ…真心。』
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