第十三章

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 プラズマの軌道が急に変わった。プラズマは翼をよけるように進んで近くの壁に当たり、それを破壊した。翼は何が起きたのかわからず、きょとんとしている。   『いや~、危ない危ない。間に合ってよかった。この家に来るのは久しぶりだからずいぶん迷っちゃったよ。』   知らない声がした。オレはその声がした方を向いた。ドアの前に人が立っている。オレと同じくらいの身長、体つき…。誰だ?もしかして…敵か!?   『…タケヤス!!』   今確かに翼はタケヤスと言った。たしかノリコという人の家に泊まった時に話しに出てきた人物。今オレが着ている服の持ち主か。しかし、何故ここに?   『翼か!久しぶり。盆休暇そっちのけで帰って来たぞ。大樹に呼ばれて来てみたが、やっぱすげぇ事になってんな…』   もしかして大樹が言っていだドッキリ"とはこのことか…この人物が翼の仲間の最後の一人…。さっきのプラズマの軌道の変化はこいつの仕業なのか?翼はタケヤスにこの状況を説明した。   『そういう事か…わかった、力を貸そうかね。真心、はじめまして。オレの名前は佐々木 健康(ささき たけやす)、よろしくな。敵のあの攻撃はオレに任せろ。そのかわり、君は敵の懐に入って攻撃をしてくれ。』   やけに自信満々である。この男は一体どんな能力を持っているのだ?   『がぁあああ!!』   准也が今度はタケヤスに向けてプラズマを放った。しかしタケヤスは顔色ひとつ変えない。それどころか避けようともしなかった。   『こんなもの、当たらねぇよ…バケモン!!』 タケヤスは天井とプラズマそれぞれに掌を向けた。
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