第十三章

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『…能力発動!!2.0×10の7乗倍!!』 プラズマの軌道が変わり、天井に吸い寄せられるように飛んだ。一体何が起きたんだ?どんな術(すべ)を知っていればこんな事ができるんだ?翼が口を開いた。 『彼の、タケヤスの術(すべ)ば操作"。二つの対象間における万有引力を自由に操作する事のできる能力だよ。彼の能力でプラズマの軌道を変える事が出来る。…やっと突破口が見えてきたね。』   タケヤスが不機嫌そうに言った。 『おい翼、それはオレが説明するトコだろ…モチベーション下がるなぁ。まあいい、自衛隊で鍛えたオレの根性と体力を見せてやるぜぇ!』 そう言うとタケヤスは破壊された壁の塊と准也に掌を向けた。 『今回はあくまで真心の補助役みたいな事するけど、本来ならオレの術(すべ)は攻撃型なんやけどな…こんな風に。万有引力…5.0×10の7乗倍!!』 壁の塊は准也へ向け一直線に飛んでいった。そうか…敵と物を対象にとれば、それが飛び道具の役割になって敵に飛んでいくのか。しかも逃げても引力だけについてくる。回避は不可能…とんでもない能力だ。   『ぐがぁあああ!!』 しかし准也はその塊が直撃する前にプラズマを発生させて掻き消した。やはり飛び道具は通用しないか…。タケヤスは頭をポリポリかいて言った。 『やっぱオレ一人じゃ無理だな。真心!!お前はがむしゃらに敵に突っ込め!!オレが後ろで援護してやる!!』 確かにその方法が適切であり、それ以外なんて見つからなかった。オレは静かに頷き准也に向かって走りだした。
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