第十三章

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 オレは准也から15メートル程の距離に立った。そしてタケヤスから先程聞いた作戦を実行しようと身構えた。どういう結果になろうが、これで最後… しかし、自分の死に対する恐怖なのだろうか。膝がすくんでガクガクと笑いだす。でも、これはオレしか出来ないこと…オレ以外は…誰も!!オレは震えている自分の膝を見た。 (オレの一部のくせに生意気な…動かないのなら今すぐにでも切り捨てるぞ!!) …震えが止まった。オレは全ての意識を准也の頭上に集中させた。防御する必要はない。この距離ならタケヤスの゙操作"で十分プラズマの起動をずらす事ができる。今はとにかく自分の事に集中するんだ…。まずはオレのこの行動が成功しないとどうにもならない。オレは能力を発動させた。しかし、なかなか思い通りに水分子は集まらない…。   『はは…。こんなに精密に゙操作"をするのは初めてだな…。意識がぶっ飛びそうだ。』   精密な゙操作"は予想以上にオレの体力と精神を削った。…やがて准也の頭上にいくつかの槍のような水の固まりが見えてきた。准也はそれに気付いていないようだ。もう少しだ…   『しまった!!危ねぇ!!避けろ!真心!!』   プラズマが飛んできた。それはもうすでにオレの目の前にある。大丈夫だギリギリ当たらない!! プラズマはオレの顔面から50センチの距離の所を通過した。その熱でオレの髪が微かに焼けついた。         出来た!!
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