第十三章

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 准也の頭上に巨大な水の槍が十数個生成された。これで準備はできた。これで終わらせる…!! 『何とかできた…。こりゃよくあるRPGゲームで言うところの゙ダイヤモンドダスト"って感じだな。これで全てを終わらせてやる…。能力発動!!゙ケルビン変換"!!』 巨大な水の槍は瞬時に凍り付き、准也に降り注ぐ。 しかし准也はすぐにこの氷の槍の存在に気付き、その場から一気に離れた。     …かかった!!ここまでは作戦通りだ。オレは声を張りあげてタケヤスに言った。 『今だ!!タケヤス!!』 準備をしていたタケヤスは張り切って答え、能力を使った。 『よっしゃあ!!ちゃんと飛んでいけよ!!能力発動!!万有引力……7.0×10の9乗倍やぁああ!!』 タケヤスの能力により、自由落下をしていた氷の槍は地面に落ちるスレスレの所でその軌道を変え、距離を取ろうとしている准也の背後に向けて物凄い速度で飛んでいく。         しかし… 『ぐがぁああああ!!』 准也は振り返り、自分に向かってきている氷の槍を右手ですべて殴りきった。氷の槍は准也の摩擦熱により一瞬で蒸発してしまい、それは部屋全体を覆い尽くし、視界を奪った。   『これじゃ何も見えない…真心君、タケヤス、大丈夫か!?』   翼が慌ててオレ達の存在を確認しているが、水蒸気の霧のせいで何も確認が出来なかった。 『タケヤス!!真心君!!一体どこにいるんだ!?』 しだいに霧がはれてきた。翼はようやくタケヤスの姿を確認した。どうやら大丈夫みたいだ…しかしオレの姿はそこには無かった。   『タケヤス!!よかった…真心君は!?』         ……         『…はじめからこれを狙っていたんだ…。』   オレは話しを続けた。
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