第十三章

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『どうしてオレがただの丸い氷でなく、細くとがった槍状にしたのか…体力を大幅に使ってまでもそうしたのか…』   景色がはっきりしてきた中、准也の周りだけは霧が消えなかった。そしてはオレはさらに話しを続けた。   『…槍を蒸発させるには側面から摩擦を起こす必要がある。正面からしようものなら槍が自分の手を貫いてお前は術が使えなくなるからな… そやってお前を槍の摩擦に集中させる…何個か蒸発させればお前の周りには十分な霧ができる。 あとはお前が残りの槍を摩擦することに気をとられている隙に…その霧に紛れてオレはお前の背後にまわった…ということだ。 まぁ、頭がイカレてる今のお前にこんな事をいくら話しても理解できないだろうけどな。これで終わりだ、准也…!!』   准也の周りの霧が薄くなった。そこには准也と、氷のスピアを右手に固定したオレがいた。 やっと終わる。これが最後の攻撃になる…オレは右腕を大きく振りかぶって言った。 『安心しろ、准也。少し眠ってもらうだけだ…殺しはしねぇよ。約束通りな…』   オレはスピアを准也に突き出した。         オレの攻撃が准也にあたる直前、とっさに准也は振り返った。その時の准也の顔は、先程まで見せていた悪魔のような形相ではなく、天使のような笑顔だった…。         ドス…!!
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