第十三章

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『准也!!』    オレは力無く倒れかかってくる准也を抱き抱えた。准也の呼吸は乱れていて、ヒューヒューと力無く音をたてていた。 オレは急所を外すように狙ったのに…。 『准也…何でお前は…!!』   准也はニッコリと笑って言った。   『お前は馬鹿だからなぁ…始めからオレを殺すつもりなんてなかっただろ?だからよ、いいトコに当たるようにオレの方から動いてやったんだよ。全く…世話がやけるなぁ、お前は…』   准也はそう言うとポンとオレの肩を叩いた。生前の意識が戻ったのか…しかし准也の手には力がほとんど入って無かった。准也の腹部からはおびただしいほどの出血がある。このままでは…准也が…。オレは堪らなくなって叫んだ。   『そこまでする必要ないだろ!!それに、さっき殺さないって約束したばっかりだろ!?何でわざわざ…オレがここに何をしに来てるのかくらい、お前だったらわかるだろうが!!』   相変わらず准也は笑っている。この状況でどうして笑顔でいられるのだ…准也はオレを見て言う。 『お前が白い家を離れた直後、オレはすぐに人工蘇生の処置を施されたんだ。それからオレは術を使って戦うためのトレーニングを受け続けた。 …そして戦えるようになったオレは何度も実験台にされた仲間の゙失敗作"の中で、見境なく暴れる人間の処理を任せられたんだよ…何人殺したかな?はは…多過ぎて覚えてねぇよ…』   そう言った准也の目からは涙がこぼれた。 やがて准也は下を向き、顔をぐしゃぐしにしてすすり泣いた。オレは何も言えなかった。助けてくれと、心の中で叫ぶのが精一杯だった。   『全部、全部知ってるんだ…何人も仲間を殺した事も、お前のその左腕を無くしたのも…。この両腕に殺した時の感触まで覚えているんだぜ…。 でも、オレがいくら思っても全然からだがいうことを聞かないんだ。だからな…』   准也はオレを見てもう一度ニコリと笑って言った。           『もう、全部終わりにしたいんだよ…』
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