第二章

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 家を出て最初に見えたのは広い庭、そしてその外は深い森だった。……正面に、遠くて見にくいが門がある。オレ達はそこを目指して走った。   走っている途中、准也の様子が少し変だった。やけに落ち着いていたのだ。でも今はそれを気にしてる余裕はなかった。   『着いたな。真心、ちょっと離れてくれ。』   オレは離れる理由がわからなかったが、言われた通りに門から少し離れた。   准也はオレが離れたのを確認して、門に右手を当て大きな円を描いた。   『おい、お前何やってんだ?』   『………。』   円を描き終わった瞬間、その円の部分がさっきみたいにまた溶けだしたのだ。そして門には人が通れるくらいの大きな穴が開いた。   『おい准也、どういう事だよ…これ…』   『…後で説明してやるよ。行くぞ!逃げるんだ。』   言われるがままにオレは外に出た。そして准也が門の穴をくぐろうとした時………。   パァン!!……。  
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