第三章

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 どれくらい走っただろう?追っ手はいないみたいだ。しかし、森とはなんて歩きにくい所なんだ……それに暗くてよくわらない。   しばらく歩いていると、川があった。   『たしか、川を下れば町がある可能性が高いって授業でいってたな…』   ほかにあてがなかったので、とりあえず川を下ることにした。   初めての独りだった。心細い…。そんなことを考えると准也のことが頭に浮かんでくる。   楽しかった思い出が次々に浮かんできた。准也が今ここにいれば…そんな事ばかりを考えていたら涙がでてきた。もう准也と一緒に笑い合えないと思うと胸がズンと重くなった。   そう、准也はオレにとってなくてはならない存在だったんだ。それを………。   心の底から沸き上がる怒りを押さえながらオレは川を下って行った。
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