第五章

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オレ達は車を降りてキメラの方を警戒した。どうやら一匹だ。   『またこいつか…一日に二匹も相手をするのは久しぶりだよ。真心と耕平は下がってて。』   翼が前に出ようとしたとき、耕平が翼を押しのけて前へ出た。   『コイツはオレに任せろ。最近、郵便勤務ばっかで運動不足だから体を慣らしてぇんだ。それに…真心にもオレの能力を知ってもらいたいしな。』   『…そういう理由なら耕平に任せるよ。くれぐれも、ヘマをしないように。』   耕平は鼻で笑って、キメラの方に歩いていった。耕平はキメラとの距離が10㍍ほどのところで止まり、その場で空手らしき構えをした。そしてまた、ニヤリと笑ってこう言った。   『よく見とけよ?真心。オレの術(すべ)はな………゙操作゙や。オレから発生する力のベクトルを平行移動させる能力!』
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