第五章

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キメラは耕平の近くまで行くと、その太い腕で殴り掛かった。   (ヤバイ、助けないと…耕平が…)   一瞬、自分の周りがスローモーションになった。何とかしないと…耕平が殺されてしまう。動け!動け!動け!!     『集まれぇええ!!』   オレがそう叫ぶと、キメラの体に水が集まり、やがてキメラをすっぽり飲み込む程の大きさの水の塊になった。キメラは突然の事態に混乱し、水の中でもがいている。   『助かったぜ!真心!』   耕平が起き上がり、正拳突きの連打を浴びせた。   『オラオラオラオラオラオラァ!!』   二匹目のキメラを倒し、耕平が決めポーズをとっている時に、翼がニコリと笑ってオレに言った。   『真心君も術(すべ)を知ったんだね。』   『…ああ。オレの術(すべ)ば操作゙で、水の゙一箇所に集まる゙という性質を強化する能力だ。』
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