第九章

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 オレ達は砂浜に着いた。そこは何とも綺麗な所だった。少し金色に光っている砂に白波を立てて永遠と動き続ける水色の海。オレは生まれて初めて見る本物の海に感動をした。   海に見とれていたオレだが、少し沖の方でボートが走っているのを見つけた。そしてその後ろにボードに乗った人が見えた。   『大樹や。あんな所にいやがったか…』   耕平がニヤリと笑って言った。しばらくするとボートが岸のほうで止まり、ボードに乗っていた男がこちらに歩いて来た。そして少し遠くから男が叫んだ。   『耕平に翼か!!久しいのぉ。元気にしとたっか?横におるのはハマか?』   耕平と翼は軽く笑顔をつくり手をあげて挨拶をした。浜崎は若干小ばかにしたように鼻をフンとならした。   大樹はオレ達の前に立ち、そしてオレを不思議そうな目で見つめた。そして、ニコッと笑って言った。   『お前…術(すべ)を知ってるな。オレに何か用でもあるのか?』
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