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そう言って大樹は、水のドームに正拳突きをした。するとドームがパンっという音をたてて弾けた。…何という馬鹿力だ。
そして突きの2発目はオレのアゴを目掛けてきた。オレはギリギリでそれをかわし、そのまま右ストレートでカウンターを狙った。
アゴとまではいかなかったが、見事大樹の顔面にクリーンヒットした。大樹は少し後ずさったが、ニヤリと笑って言った。
『…なかなかやるやないか。そうこないと楽しくねぇな。』
こいつ…タフだ。完璧な肉弾線タイプである。
大樹はオレの手首を握ろうとしたが、握り潰されたらどうしようもない。オレは後ろにステップをして少し間合いをとった。
大樹は深呼吸をして呼吸を整えた。そして何を考えたのか、いきなり構えをといた。
(ん?どうしたんだ?)
オレが少し構えていた拳を下ろしかけた時、大樹は不意をついて砂の地面をなぐった。再度ほこりが舞い、オレの視界が遮られた。
『くそっ!油断した!どこいにる。』
『…雑魚にしては頑張ったな。それじゃ、クタバレ。』
その声が聞こえた瞬間、大樹の拳が見えた。しかし避けれる距離ではない。オレは負けを確信した。
『こらー!!大樹ー!また喧嘩なんかして!!』
大樹の拳が止まった。
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