第十章

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『久々に様子を見に来たら、いきなり何してんのよ!!』   砂浜の入口の方に何やら女性が立っている。それを見た大樹は完全に構えをとき、頭をポリポリかいて困った顔をしながらオレから離れた。…助かった、のか?大樹はその女性に言った。   『いや、今のはな、お互いが了承し合った喧嘩だから別にいいんだよ。』   『喧嘩に良いも悪いもない!!』   大樹は小さく『すいません』と言って肩を落とした。後ろの方で翼がニヤニヤしている。もしかして翼がこの人を呼んだのか?   そしてその女性はオレに駆け寄って来て心配そうに言った。   『君、大丈夫?怪我はない?ごめんねぇ。あの馬鹿は喧嘩っ早くて。』   オレはその人の急な行動に慌ててしまった。どうやらオレは女性に弱いらしい。   『な…何でもないです。ホント何でもないですから、気にしないで下さい!』   オレはそう言って手を横に振った。すると肘から血がポタポタと地面に落ちた。それを見た女の人は自分の家で処置をすると言って、オレの手を引っ張った。
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