第十章

6/15
前へ
/175ページ
次へ
 女性に誘導されて着いたところは大樹のアパートの一階だった。どうやらここが家らしい。   『ほら、入って入って。』   オレはその女性に言われるがままにアパートに入った。   『自己紹介がまだだったね。私の名前は竹内 加奈(たけうち かな)。大樹とは古くからの友人よ。 それはそうとさっきはごめんねアイツ加減をしらないんだから。今度何かしでかしたら私に言ってね。しっかり指導をしときますから。』   相変わらず大樹はションボリしている。大樹はこの人に頭が上がらないのか…。しかし、この喧嘩を仕掛けたのはオレだ。誤解を解かなくては。   『あの、加奈さん…この喧嘩には……………。』   オレは大樹との喧嘩の全てを加奈に話した。加奈は納得し、   『それじゃ両成敗だね。むやみに殴り合ったりしちゃダメだよ。』   と言った。大樹の表情が少し明るくなった。……単純なヤツ。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加