第十章

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 しばらくみんなで世間話をしていると、急に大樹が真剣な顔をしてオレに言った。   『おい、真心。お前はどういう理由で゙白い家"に行くんだ?下手をしたら命を落としかねねぇんやぞ。』   『どうしたんだよ?薮から棒に…。』   『いやな、お前が思ったより強かったからな。それほどの理由があると思ってな。理由無しに人は強くなったりしねぇからな。』   ただの単細胞ではないみたいだ。   『あんまり何回も話せる話しじゃないからよく聞いといてくれ…。』   オレば白い家"で起きたことを全て話した。大樹はしばらく考えて言った。   『親友がか……。辛かったな。 オレも一緒に脱出したヤツがいてな。そいつは今、自衛隊で普通の人間と変わりない生活をしとるんやけどな。 オレが逃げる時にもしそいつが撃たれたらって思ったらオレもお前と同じ行動をとるやろうな。』   『あんたもか…。』   大樹も同じような状況だったららしい。しばらく沈黙が続いたが、大樹が口を開いた。   『オレも行こうかのぉ。』
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