第十章

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 オレは全く予想してなかった言葉に驚いた。   『ホントについて来てくれるのか?大樹』   『任せろ!あそこにはまだオレの仲間がおる。オレの問題でもあるからな。』   『そんなのダメ!!』   いきなり加奈が口を開いた。若干だが、声が震えている。どうしたんだろう?   『さっきから聞いていたら、生きるか死ぬかって。どうしてそんな危険な所に行くなんて簡単に言えるの?私は反対だよ。大樹!絶対行っちゃダメだからね!』   大樹は突然の事に戸惑った。   『どうしたとや?加奈。いきなり大声出して。』   加奈は息を荒くして下を向いて立っている。どうも様子がおかしい。大樹が優しく、なだめるように言った。   『まだ死ぬって決まったわけじゃねぇぞ。そんなに怒んな、加奈。』   大樹が加奈の肩に触れようとしたとき、加奈はその手をはじき、大樹を睨みつけて叫んだ。目には涙がにじんでいる。   『そうやってアンタはいっつも衝動的になって私を置いていくんだから!』   加奈はそう言い捨てて部屋を飛び出した。大樹はその場にポツンとたたずんでいる。耕平と浜崎と翼はアチャーっといった表情を浮かべて手で顔を隠していた。
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