第十章

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…チュンチュン。   オレ達は朝のスズメの鳴き声で目が覚めた。カーテンを開けると眩しいくらいに日の光が部屋に入って来た。   『気持ちいいな…。』   オレがそう言ったが皆同じ気持ちだった。…ついに全員そろったのだ。ついに今から゙白い家"に向かうのだ。准也の仇、友の開放ができるんだ。   『ご飯できてるよー!!早くおいでー。』   加奈がドアから呼んでいる。オレ達は昨日、キメラ戦が終わり大樹の部屋で寝た。朝食は加奈が自分の部屋で作ったらしい。オレ達は大樹の部屋を出て、一階の加奈の部屋に移動した。   『じゃーん!!今日は気合い入れて作ったよ。頑張ってもらうようにね。』   テーブルには夕飯並のボリュームの食事が並んでいる。朝っぱらから誰がこんなにたべるんだ?…しかし、加奈はニコニコしながらオレ達を見ている。 食べなくては…。しかし、どうやって?   『ここは…二人の最後の時間をハッピーに過ごしてほしいな。』   翼が切り出した。助かった。オレ達は急いで食事を済ませ、そそくさと部屋を出ていった。大樹はポカンと口を開いている。   そして部屋には大樹と加奈だけになった。   (あいつら…。この飯をオレに回したな。)  
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