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「…私ね、告白、やめようと思うの」
鼻をすすって、私はさやちゃんにそう言った。
私――立花幸(タチバナユキ)は、背は小さいけど高校二年生。
部活には入ってない。
入りたい部活もなかったし、多分、中学で飽きたんだと思う。
もういいや、って。
で、そんな私は今、さやちゃんと一緒にファスト・フード店にいる。
さやちゃんとは一年生の二学期に仲良くなって、それ以来、いろいろな相談に乗ってもらってる。
とっても美人で、はきはきした女の子だ。
「やっと決心したのに、やめちゃうんだ?」
さやちゃんは、頬杖をついたままストローをくわえた。
中身はウーロン茶だ。
さやちゃんはお茶が大好きなのだ。
「だって、その…私、見ちゃったんだもん」
「何を?」
「…松崎くんが、告白されてるところ」
今でも、思い出すと泣けてくる。
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