嘘つき

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「会いたい」とつぶやいた。 もう、そんなことは無理だとわかっているのに…。 あの日、君は私の前から居なくなった。 何も言わずに居なくなってしまった…。 私は、それを知ったとき どうしていいかわからなかった。 私は…怒るべきなのか、逃げるべきなのか…、それとも……。 わからなかったから、とりあえず怒って…それから逃げてみた。 それから、しばらくして…気がついたら私は 「嘘つき」になっていた。 毎日、自分に嘘をついて ただ…何かから逃げていた。 ある日、誰も居ない公園で なんとなく「会いたい」とつぶやいたら 自然と涙が出てきた。 あぁ…そうか……、私はあの時… 泣いて、君が死んだことを受け入れればよかったんだ…。 君に会いたいから 君にまた会える その日まで 何年も、何百年も、何千年先も待ち続ける。 - END -
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