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俺はただ零騎に捨てられたくなくて、必死にその腕を掴み寄り添う。
だから捨てないで、人はいくら愛を囁いたって移ろうものだから。
「郁月、っはぁ…、イクよ……っ」
「あっあっ…、ああ---」
俺は情事の終わった後の怠惰に包まれ、意識を手放した。
「おやすみ郁月」
郁月が眠ったのを確認し、その額にキスを落とす。
それからすぐに携帯を手に取り、履歴を開く。
『プルルル、プルル……もしもしー』
「俺だよー、新。さっきは大丈夫だったぁ?」
『あー零騎ー、最悪だよー!あのマリモ人の話聞いちゃくれないしさーもうなんなんだよクソッ』
携帯の向こうから聞こえるバキッボキッドカッ、という衝撃音に荒れてるなぁと思う。
「あはは、素がでてるよぉ?お疲れ様~」
『えー?それより郁にゃんは平気なのー?』
「んー今は落ち着いて寝てるよぉ~」
『よかったー……で、電話してきた理由は何ー?』
「あーそうそう風紀委員に伝達ー……‘生徒会を刈谷郁月に近づけるな’」
『了解、それじゃあ切るねー』
「おやすみー」
俺は携帯を放り投げ、ベッドに横になる。
スースーと寝息をたてる郁月に顔がにやける。
寝顔天使!!超絶可愛い!!
郁月は本当に可愛い、食べちゃいたいくらい…って今食べたばっかだけど~。
「郁月ぃ?俺がちゃんと守るからねぇ?」
安心してお眠り?
郁月の嫌なモノは全部排除してあげるから。
だから
「俺の前から消えないでね…?」
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