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「零騎クラス違うでしょ。学年も違うし」
「えー!でもぉー郁月といたいしぃ……」
授業でないの?
「駄目だよー、零騎は風紀の仕事があるでしょー」
「新ぁ~?ちょっとだけ……」
「だめー!………郁にゃんと過ごす時間失くさせるよ?ボソッ」
「…郁月!昼休み来るからね!!」
あーちゃんの一言で零騎は教室からバタバタと慌ただしく出て行った。
…流石あーちゃん。
「あーちゃん大好き!さすがだね」
「あははー、零騎の扱いなら任せてよー」
うん、これから零騎の扱いに困ったらあーちゃんに頼もう。
「新はほんま油断できへんなぁ」
「そこがあーちゃんのいいとこなんだよ」
「郁にゃんわかってるー」
俺はあーちゃんに抱き着きながら顔だけたくやんの方に向ける。
なんかたくやんが羨ましそうにあーちゃんを見てるけど、俺が今抱き着きたいのはあーちゃんだから。
俺たち三人がじゃれてると、視界の端に数人の人が入る。
「あ、あの!刈谷様!!」
「ん……何?」
俺はとりあえずあーちゃんから離れ、無表情で首をかしげる。
なんかみんなすごく可愛い。
え、チワワ?俺、犬好き。
「あの!僕たち、刈谷様の親衛隊ですっ!」
「俺の?」
「はいっ!」
真っ赤な顔をしている可愛いチワワ君。
なんかやわらかそう…。
「でも俺、零騎と付き合ってるよ?」
「あ、榊原様との仲を応援してます!お付き合いの邪魔はしません!だから、あのっ、あのっ…」
必至で喋ろうとするチワワ君。
俺はちょいちょいと手招きする。
「え、あの…?」
「おいでおいで…………えいっ」
「ひぃやっ!!」
チワワ君に抱き着いちゃった、てへっ。
あ、なんか甘い匂いがする。
俺はクンクンとかいだあと、チワワ君の顔を見る。
それから微笑み、
「…これからよろしくね?」
「ひゃ、ひゃいっ!」
…可愛い。なにこの生き物持って帰りたい。
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