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「景気よく出てきやがったな。」
あたごの島田艦長は言う。
救助活動をしようとした矢先、ビスマルクの後方から戦艦テルピッツ・巡洋艦アドミラル・ヒッパーが現れて、あたご達に攻撃をかけていた。
「3対2。しかも、ミサイル使用不能じゃあ我々は完敗だ。」
島田が言う。
「艦長!いったんここは退避すべきでは?」
副長が提案する。
「そうしたいがまだ、生存者が残っている。見捨てることは……」
島田は決断を迫られる。
ドーーーン
ドーーーン
ドーーーン
「敵、全艦斉射!!」
見張りが叫ぶ!
「マズい!回避運動!」
島田も叫ぶ。
「砲弾来まーーーす!」
ドドドドドドーーン!!
あたごは弾着の大瀑布に包まれる。
「アタゴがやられた!?」
米艦スパーツの艦長エバンスは大瀑布を見て言った。
水煙が消えるとかろうじて浮いているあたごの姿があった。傾斜しており各所で火災が起きていた。
「ナチめ!!人の命をなんだと思ってやがるんだ!」
エバンス艦長が憤慨する。
「艦長!我々だけとなってしまった今、この場にいるのは危険です!退避しましょう!」
「チッ。救助状況はどうだ。」
「アタゴの救助もあるのでまたまだです。」
「パールハーバーへの連絡はどうだ!?」
「パールハーバーをはじめロナルド・レーガンやヒュウガにも応答がありません!」
「なんてことだ……」
「艦長。どうされますか?」
「ギリギリまで救助に当たるのだ。それから全速で退避だ。」
その時
ヒューリュリュリュー
ドドドーーン!!
「何事だ!まさか、敵がまだ増えるているのか?」
エバンスは怒鳴る。
「艦長!上空のバリアらしきものが破壊され、外部の無線が入りました。それによると今、バリアの外で戦艦ミズーリとヤマトが艦砲射撃を実施しているそうです。」
「それは本当か!?」
エバンスは驚きを隠せなかった。
「はい。ついては、敵艦の位置を報告せよとのことです。」
「よし。すぐさま打電しろ!」
「イエッサー!」
「救助活動続行し、後方の戦艦群に敵位置を伝えよ。」
「イエッサー!!」
「さあ、ナチよ。あんたたちの時代ではあり得なかった艦隊決戦の始まりだ!!」
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