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「ですから、内部の状況は、把握できておりません!はい。え!?それは我々では判断しかねます!はい。了解しました。」
トマス提督は受話器を叩きつけた。
「ごらんの通り。上の連中はなにもわかっていない…。」
ロナルド・レーガンの作戦室では、宮田や残存艦艇の指揮官が集まっていた。
「我々は一刻も早く内部の様子を調べねばならない。」
トマスは言った。
「ミサイルや艦載機での攻撃では突破できぬようです。」
米艦の艦長が残念そうに言う。
「しかし、艦砲であればほんのわずかですが、貫通することがわかりました。」別の米指揮官が言う。
「しかし、貫通する面積・時間共に艦艇もしくは艦載機が突入することは不可能です。」
日本の士官が言った。
「もっと威力と大きさが必要というわけか…」
トマスは厳しい顔をする。
「大型艦砲…」
ふと誰かがつぶやく。
「それだ!!」
突然、宮田が叫ぶ。
「どうしたんだ急に!?」
トマスは面を食らう。
「大和とミズーリです。あの二隻の艦砲を使えば、突破口に十分な大きさの打撃が与えられます。」
「ミズーリとヤマトだと!?バカを言わんでくれ。あれらは記念艦ではないか。」
「しかし、両艦共にメンテナンスを受けているので動けます。大和には、パフォーマンス用に主砲弾も積んでいます。」
宮田は続けて、
「今日の彼女らは記念艦ではなく、戦う美女です!」
「あの二隻なら、やれるだろう。」
「やってみる価値は十分にある。」
参加者からも賛成の声があがる。
「よし。やろう!」
トマスも頷いた。
「決まりましたね。」
宮田は周りを見回した後、受話器を取り、
「パールハーバーの大和に繋いでください。」
しばらくして
「ああ、福山艦長か?」
電話にでたのは、記念艦もとい、戦艦大和艦長福山正太郎大佐である。
「長官。何事です?」
「実はな…」
宮田は今までの経緯を話し、大和出撃を打診する。
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