古びし戦艦かく戦えり

幽霊戦艦

米艦隊旗艦空母ロナルド・レーガン

「提督。前方にありました雨雲ですが進路が変わり我が方に向かっています。」気象担当者がトマスに報告した。

「規模は？」
トマスは海面を見ながら尋ねる。

「少し大型なスコール雲です。」

「まあ、悪天候時の訓練にちょうどいい。進路そのまま、総員時化に備えよ。」
艦隊は雨雲に向かって進む。

数十分後、波は高くなり始め、雨粒が窓をたたく。

日本艦隊旗艦空母ひゅうが

「前方に不明物体!!」
ウィング監視員からの報告だ。

「不明物体!?」
宮田は双眼鏡を手にした。覗いてみると確かに前方数キロに黒い塊が見えた。

「戦闘指揮所！電探に反応はあるか？」
宮田は艦内電話で尋ねる。

「こちら、戦闘指揮所。対空対水上各種電探異常なし。」
戦闘指揮所長の山下中佐が返答する。