幽霊戦艦

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「そんなバカな…今外に不明物体が視認距離にいるのだぞ?」 宮田は驚きながら言った。 「何ですって!?しかし、電探に故障してません。僚艦をちゃんと捉えています。」 山下がエラーチェックして答えた。 「長官。ロナルド・レーガンから電文。前方に不明物体を視認。貴艦隊も確認済みであるか?との事。」 と通信兵が報告した。 「返信。視認できるがレーダーはロストしている以上」 しばらくして、 「報告、我々と同じ状況だ。戦闘配置に着くように求む。との事。」 「返信。了解した、直ちに戦闘配置に着く。」 続いて宮田は艦内電話で 「総員、戦闘配置着け!」 ブァーブァーブァー 警報が艦内中に響き、僚艦には電文で命令を伝えた。 レーダーで目標を探知できないため、監視員を増やして警戒に当たる。 まだ、荒れた天気だが七式ヘリ(ゆりかもめ)が発艦した。 「こちら、ゆりかもめ。現在目標に接近中。今の所はまだ詳細不明。」 ひゅうがの戦闘指揮所に、ゆりかもめからの無線が入る。 「こちら、ゆりかもめ。今、物体を撮影している。画像解析を求む。」 「ひゅうが了解。」 早速、ゆりかもめが転送している映像の解析を始めた。 「処理結果出ます。」 ディスプレイの物体は徐々に輪郭を現してきた。 「これは‥‥船のようだな。」 ひゅうが艦長の北村大佐が言った。 さらに解析が進み 「これは軍艦!?」 士官の一人が言う。 「軍艦だが…古いな」 と北村。 「こいつは…いや、まさか…」 「長官。わかったのですか?」 「ああ。信じたくないがこいつは…ドイツ第三帝国戦艦…ビスマルク!!」 指揮所は沈黙した。
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