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「ビスマルクですと!?」
北村は面を食らった。
「た、確かにあの艦影はビスマルクです。」
とある士官が言った。
「どこかの映画会社がセットとして作ったんじゃ?」
「ばか。こんな沖でしかも、単艦でいる訳ないだろう。」
「まさか、これも演習何じゃあ?」
「しかし、長官が驚く訳ないだろう。」
艦橋の中は大騒ぎだ。
「静まれ!!」
宮田は一喝した。
「今、未知の現象に遭遇している。この状況でなすべきことは、目標に敵意があるかと、米軍側との状況確認である。」
「宜候!」
「信号長!ロナルド・レーガンに打電。我、不明の戦艦を視認せり。これより、識別を行う。以上!」
返事はすぐだった。
「了解。我々は援護する。」
「航海長。進路そのまま。」
「宜候!」
「信号長。発光信号にて、不明艦に信号。貴艦の所属を答えよ。以上」
チカチカチカ
「反応ありません。」
「もう一度だ。」
チカチカチカ
「反応なし。」
「信号変更。反応なき場合は攻撃する。を追加しろ。」
チカチカチカチカチカチカ
「反応なし。」
「長官。どうしましょう?」
「威嚇射撃だ。あたごに無線!主砲照準!」
あたごは麾下の護衛艦数隻を伴い、増速し主砲をビスマルクに向けた。
「準備よし。」
「射ー!」
ドン!ドン!
数十秒後
「弾着。今!」
ビスマルクの周辺に水柱がたった。
「ビスマルク面舵!」
「主砲旋回を確認!」
監視員が早口に報告。
「あたご以下護衛艦は攻撃はじめ!攻撃機発艦!」
宮田が命令した。
ドーーーン!
「ビスマルク発砲!」
放った砲弾は上空で爆発し、オーロラのような幕となってロナルド・レーガンやひゅうがや護衛艦数隻とあたごや米イージス艦数隻の間を塞ぐように垂れた。
そして、爆発の衝撃が艦隊を襲う。
「こちらひゅうが艦載機3番機!操縦不能!」
操縦不能となった攻撃機が幕に突っ込み、爆発した。
「これはバリアだ!」
宮田は叫ぶ。
「取り舵一杯!」
「宜候!!」
ひゅうがはバリアを回避するため、回頭した。
ロナルド・レーガンのトマス提督もバリアに気づいたらしく、回頭を始めた。
「ガッデム!中にはまだ、3隻の味方がいるのに!」トマスは嘆いた。
「まるで魔術の結界のようだ。」
ひゅうが艦長北村は疑うような目つきでいった。
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