弟と番長

9/9
前へ
/14ページ
次へ
「番長連れてきましたよ~。」 部屋の中はカーテンが閉められており、電気もついていない。 隅にある茶色のソファーには 男の人がうつむいて座っていた。 「亮太。あれ絶対番長だよ!」 たぶん、俺もそうだと思う。 だって部屋にはあの人しかいないし。 「そうか…。」 こちらに顔を向けた番長は じっと俺の顔を見た。 「似てるな。」 鋭い目をした番長がふっと笑った気がした。 「煮てる?」 そういえば、今日の夕飯はカレーだと母ちゃんが言っていた。 今、煮てる最中なのかも…。 …はっ!!番長って超能力者とかなの!? 「お前らはさがっとけ。」 「あいよ~。」 「はい。」 吉津さん達は俺の後ろに隠れていた たにたにを連れて、部屋の外に出ていった。 「小杉亮太だな?」 「はい!小杉亮太です!!好きな色はオレンジと緑と青と…全部です!!」 「…。」 あっ!眉間のしわがひとつ増えた!! 好きな動物の方が良かったのかもな…。 「…姉がいるだろ?」 「いますよ。」 あれ?でも何で番長は知ってるんだ? やっぱり、超能力者なのか!! 「…。」 「それがどうしたんすか?」 番長は下を向き、肩を震わせていた。 笑ってる…? 「…くくっ。」 「81!」 「くくく…くわぁっはっはっはっ!!」 「え!?何?」 「げぇへっへっへっへっ!!」 わぁ…何か楽しそうだなぁ。 俺も楽しくなってきちゃった! 「俺もその遊びにまぜてください!! ぐへへへ…。」 「おい。亮太。」 「へへ…はい?」 「俺等の仲間になんねぇか?」 仲間?
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加