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1人、過去の記憶に思いを馳せていた。
そのとき、流星の目にあるものがうつった。
「ん? あれは人?」
ベンチすらない公園には、座り場所としてブランコがうってつけだった。
そこに、1人の女性がぽつんと座っていた。
後ろを向いていたので分かりづらいが、背中の中ごろまで伸びている黒髪が印象的な、そんな女性だった。
まるで、あの子のような・・・・・・。
ぶんぶん、と頭をふり、
「いやいや、ここにあの子がいるほうがおかしいから。ここは別に思い出の場所じゃないし」
そう結論づけ、買い物を再開するべく流星は、商店街へと向かい歩き出した。
少年が公園付近からいなくなったあと。公園にて。
「・・・もしかして・・・・・・流星くん?」
目をパチクリさせ、少年が消えていった方角を見つめた。
商店街で材料を買い、再び児童公園に着いたときには、
「いなくなってるか・・・」
買い物は1時間もかからなかったが、さすがにいなくなっていた。
「後ろ姿だけでも似てたな・・・・・・もう、会えないのかな」
そのまま公園を通りすぎようとしたとき、
「ーー流星くん!!ーー」
呼ばれ振り返ったときには、少年の目の前には昔と変わらない、むしろ昔よりも更に綺麗になった、あの女性がいた。
「・・・久しぶり、流星くん」
「・・・・・・ゆい、ちゃん・・・」
再び運命の歯車が、回り始めた。
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