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「ところで貴方の名前はなんていうの?」
「俺でゲスか? 俺はでゲスね。ニート・キングという者でゲスね!!」
「いや……違うでしょ。てか何よその語尾」
我が渾身のボケをさらりと躱す彼女。ルーナ……恐ろしい子。
まあ、さすがにニート・キングは俺でもないとは思ったけどね。反省も後悔してないけど。
「桐生翔斗、一七歳。好きなタイプは誰かって? それはね、キ・ミ☆」
「いや聞いてないです、私はタイプじゃないですごめんなさい」
瞬く間に頭を下げられる。そりゃあ清々しいくらいにあっさりと。
なんてこった!! いきなりフラれたZE☆
「桐生翔斗……って事は日本人なんだ。珍しいわね」
「ほう、そういえば君は日本人じゃないな。えーと、もしかして生粋の日本人って少ないのか?」
俺が疑問を投げ掛けると、彼女は元々大きい目をさらに見開き驚いたそぶりを見せる。
「桐生君、あなたさっきから何を言っているの?」
「いやあ実はさ、俺もしかしたら過去から来たっぽいんだよね」
さすがに、世間を知らなさすぎる俺に対し怪しむ雰囲気を感じとった俺は、正直に事情を話す事にした。
「ふーん。俄には信じがたい話しだけど、嘘をついてるようにも見えないしなあ。それなら世情や常識を知らない事にも納得はいくし」
「信じてくれたらキスしてあげるよ☆」
「じゃあ信じない」
「嘘です!! キスはしませんから信じてぇー!!」
俺の最終奥義DOGEZAを繰り出したことで、何とか話だけは聞いてくれそうだ。
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