異世界に現れしニート

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「実際信じがたい話だけど、それ以外考えられないもんね」 「でも何で簡単に信じるんだ? 俺が嘘付いてるって事は考えないのか?」 会って間もない俺を無条件で信用するって事は、何か根拠があってのことだろう。 そうでなきゃ、頭の可笑しい奴と一蹴(いっしゅう)されて終わりの筈。 「根拠はあるわ」 「オーケー聞こう」 「桐生君以外にも、異世界から来た人を私は知っている」 なるほど、確かにそれなら納得だ。以前に俺と同じような事例が存在するなら、信用に(あたい)するのも頷ける。 「けど、不思議に感じる点が一つあるの」 「ほう、それはなんぞや」 「桐生君の世界と私の世界が、似た世界ってこと」 確かに……俺のいた世界との相違点は文明レベルだけ、そう都合よく同名の世界と繋がるのは違和感でしかない。 「桐生君の世界と私の世界での差異(さい)は文明の発展レベルの違いだけ」 「つまり、俺とルーナの世界は違うけど、繋がってる部分があるって事か?」 「そこまでの確証はない。だから私は不思議だって思ったのよ」 やはり彼女が感じた違和感も俺と同じだったらしい。 まあ、でも此処が異世界であるって点には矛盾は無さそうだな。現状、判断材料が少ないから断言は出来ないが。 やっべ……頭こんがらがってきた~。 ルーナも悩んでいるのか、肩を(すく)め考え込む素振りを見せる。 「ホント不思議なものねぇ」 そうそう……ってお母様!? いつの間に(まぎ)れていたのか、ルーナの母親がこの話に混ざっていた。 まるで気配を感じなかったぞ? 忍者か己は。
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