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その後、俺はこの世界にある魔法の仕組みについて、色々と聞かせられたのだが、はっきり言って理解不能。
俺のミジンコ程の脳ミソじゃ、魔法の理屈なんて分からない。
何でも、脳には今まで発見される事のなかったある器官が存在するらしい。その器官を流れているものが魔力と言われているのだという。
脳を流れる魔力は熱、痺れ、冷たさ、そういった感覚を想像する事により、それらを感知すると、それが魔法という形で顕現するのそうだ。
なにそれ怖い。え? つまり熱い、寒い、痺れる、そんなのを想像するだけで魔法が使えちゃうという事でしょ?
なにそのチート。
魔法って、もっと何か使える人だけが使えるもんだと思ってたが、意外と科学的なんだな。
話を聞く限り、魔法は誰にでも使えるらしい。
とは言っても、この世界に限る事らしいのだけど……。
だがルーナの母さんの話では、極めて稀に異世界で魔法が使える人間もいるのだそうな。
まあそれはさて置き、基本この世界に住む人間だけが、脳内で流れる魔力を魔法に転換する機能が備わっている。
更に魔法の使用は、魔力以外にも精神力を消費するらしく、精神力が尽きれば魔法は使えなくなる。
精神力は人それぞれだが、鍛え方次第で膨大な精神力を得る。まあ、それは魔法に限った事ではないだろうが。
とまあ、大体こんなところだろ、魔法については。
「大体の事はわかった?」
「まあホント大体わね」
これからどうするかは、実際分からない……。
だってどうしようもないし。
俺が居た世界に帰ったって何もないし、両親も心配だが、宛がなけりゃ捜せない。
「で? 桐生君はこれからどうするつもりなの?」
「うーん……。それが何もないんだよな。両親捜すにしても、全く情報も無しに捜すのは、何か無理臭いし、前の世界にはぶっちゃけ帰りたくない」
それに両親がこの世界にいるとは限らない。
暫くこの世界に居て、何もなかった、若しくは何処か別の世界にいるのだと解れば、他の世界に行くしかないだろう。
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