異世界に現れしニート

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「つーわけでルーナ結婚してくれ」 「何がつーわけでなのか意味が分かんないし、結婚はお断り。ホントに……何をどう考えたらそういう言葉が出てくるのよ」 心底呆れたように、深い溜息を吐くと、睨むように俺の顔を見つめる。 「ふ、そんなに見つめるなよ」 「(かえ)れ」 土にって事ですね? わかります。そんな容赦ないルーナたんも堪らんのです、はぁはぁ。 「警察呼ぼうかな……」 息を荒げる俺を見て、本気でドン引きした顔をしているルーナは携帯に手を掛ける。 おふ、それマジで洒落(しゃれ)にならんぞよ。 「ねぇ、桐生君」 「何ですかマヤさん」 ちなみに、マヤとはルーナの母親の名前である。 で、マヤさんは、意味深な笑みを浮かべ、俺を一瞥(いちべつ)すると、そのまま口を開く。 「桐生君。貴方行く宛がないんでしょう? それなら家に住むってのはどお?」 「え!? ママ!?」 慌てるルーナに対し、マヤさんはニヤりと笑みを浮かべる。 それよりも、俺がこの家に住むという事はだ。 つまり、ルーナたんと一つ屋根の下でにゃんにゃんし放題って事だよな。 生きててよかったああああああああああああッッ!! 「ママ!? なに言ってるの!? 桐生君を家にって……」 「別にいいじゃない。私だって、貴方達二人を(やしな)うぐらいの甲斐性(かいしょう)はあるつもりよ?」 「そういう問題じゃないでしょ! き、桐生君は男の子よ? 若い男女が一つ屋根の下なんてそんなふしだらな!」 「ノープロブレムよ。夜な夜な卑猥(ひわい)な声が聞こえても私は気にしないから」 ありがとうございやす! 俺は親指をグッと立てると、マヤさんもまた、サムズアップしながらウインクをする。 「もう! なに意気投合(いきとうごう)してるのよ!」
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