*長谷川のその後*

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花の誕生日当日、待ち合わせは遊園地だった。 昔の俺なら絶対に行かないようなそこは、いつも人で混みあっている人気の場所でもある。 それでも涼子と花の姿はすぐに見つけることが出来た。 俺を見つけると一瞬ビクッと体を震わせた涼子は、花と繋いだ手をキュッと握り直して、真っ直ぐにこちらに歩いてくる。 緊張した面持ちのまま俺の目の前に止まると、決心したように顔を上げた。 「久しぶり、元気だったか?」 そう優しく声をかけると涼子は少し驚いたような顔で俺を見る。 何か言いかけようとしていたけれど、それは花の声に遮られた。 「パパァ!」 涼子と繋いでいた手をあっさり離して、昔のように抱きついてくる花に泣きそうになる。 それでも涙は見せまいと必死に堪えながら、花をそっと抱き上げた。 少し重くなったように感じる花の体は、会えなかった時間を意味してる。 子供の成長はこんなにも早いのだ。 「お久しぶりです。勇さんも元気そうで安心しました」 そんな俺と花を複雑そうに見つめながら、涼子は電話のときよりも緊張した声でそう挨拶をする。
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