序章

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序章

31世紀。 人類は彼らが思っているほど愚かではなかった。 第二次世界大戦後、小さな紛争、核問題などによる戦争などを経て、世界は一つにまとまった。 はじめは科学から。 ドイツの医学研究者を中心とした世界規模の巨大な科学同盟”アインス”が発足。 その後全ての分野の科学者達が同盟に参加し、医学から教育までを含む全ての科学、学問をアインスが行うところとなった。 アインスに引き寄せられるように各国の首脳も歩み寄りをはじめ、話し合いによる統一国家の設立という史上類を見ない事態が起こった。 アインスに反発する国々との長い、大きな戦争を経て、ついに人類は完全にひとつにまとまった。 国が統一され、政治もアインスの専門家が民主的な投票により選抜され行うようになった。 全てが統一され、食糧難、貧富の差も次第になくなり 何よりアインスの研究による科学の進歩がめざましく、全てがうまくいっていた。 ”精神”の力までも応用することができ、人類はほとんど体を動かすことなく快適に生活できるほど進歩した。 しかし、研究には常に危険がともなう。 クローン実験をはじめとするリスクをともなう研究を一般人から隠し、処理するため のアインス専用の軍が設立された。 その名を”ツヴァイ”という。設立当初はマスコミへの睨みや一般人から研究内容を隠すための隠蔽工作などが主な任務であったが 研究が進むにつれ危険なリスクを伴う実験をする必要性がなくなり、ツヴァイの意味もしだいに薄れていった。
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