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暗闇の中、二つの影の闘いは続き・・・・そして突如終わりを迎えた。
シュロの足刀がカウンター気味に敵の下腹部に突き刺さった。
とどめの一撃を脳天に受け、ゴーストは消えていった。
「 さすがにシュロのほうが一枚上手だったか」
肩で息をしているシュロに近づき、モクレンが賞賛した。
シュロはゴーストが消えていった先を見つめてしばし黙っていた。
よく見れば床は畳が敷いてある。そんな事にも気付く余裕なく闘っていたのか・・・
「 ・・・いや。全くの互角だったよ。見た目通りにな」
否定されたことに驚いて、モクレンとイスカが疑問符をあげる。
「 なんでだ?後半はシュロが明らかに押していたじゃないか。結局は実力差だったろ」
「 いや・・・俺がヤツの動きを見切ったからだ。
具現化していたとはいえ、あのゴーストにはまだ知性がなかった
俺の動きをヤツが読んでいたら、どうなったかはわからない」
と、その時建物の奥から大きな音が響いてきた。
「 くっ・・・!まだあんなのがいるってのか!?」
「 いや!あれは人の声だ!まさか・・・」
悲鳴にも似た喚声の正体を確かめに、三人は奥の部屋へ近づいていった。
「 増援部隊が来るよ!」
長い髪を後ろで束ねたヒソカが戻ってきた。
ゴーストの力も、銃弾さえも通さない装備に身を包んでいてもなお彼女のスタイルの良さはこの殺風景な戦場でも目立つ。
「 ・・・?シュロ、その子は一体・・・?」
白い建物を出て、ヒソカ達増援部隊と合流したシュロは。
その肩に小さな男の子を乗せていた。
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