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飛び込んでみると、室内にはほとんど光がなかった。
まともに中を見ることもできない暗さを自覚し、シュロ達は自分達がどれだけ長く闘っていたのかを思い知った。
建物の中は綺麗な外観とは裏腹に、奇妙な臭いにつつまれしけっていた。
「 ?どうしたんだ。ゴーストが追ってこないぜ?」
モクレンが疑問符をあげる。
見やると、確かにさっきシュロ達がいた最前線でゴースト達は膠着している。
突如、シュロは奇妙な既視感に襲われた。
(前にもこんなことがあったような・・・・)
「 シュロ、おい!照明弾を使うぞ!いいか?」
自分を呼ぶ声で我に帰ると、イスカが銃をいじりながらこちらを睨んでいる。
モクレンはもう休む体勢に入っていた。
「 ・・・いや、待て」
シュロは身構えたまま、建物の奥をつぶさに観察した。
どこか汗臭さを感じる板張りの内部。
外は白だったが、中はすすけた色になっている。
住民の死体からは一切武装がなかったため、訓練施設ではなく武術か何かの練習場であろう。
暗い・・・時刻通りの暗さだが、どこか違和感がある。
しかもさっきの既視感・・・焦りながらも全神経を周囲に張り巡らせる。
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